ハリネズミの女の子がなりやすいと言われている子宮疾患。2022年4月、我が家のモネちゃん(3歳9ヶ月)もエコーで子宮の異常が確認され、子宮摘出手術を受けることになりました。そこで今回はハリネズミの子宮摘出までの経緯と費用、術後の様子をお伝えしていきます!
※実際の手術写真や摘出した子宮の画像もあるので苦手な方はご注意ください。
この記事でわかること
・子宮疾患ってどんな病気?
・子宮疾患発見に至るまで
・子宮摘出手術と費用
ハリネズミの子宮疾患
ハリネズミに多い子宮の病気の種類
子宮内膜炎
ハリネズミの子宮内で細菌感染症が起こる病気です。感染によって子宮内に膿が溜まると子宮蓄膿症へと進行します。
子宮腫瘍
子宮内の細胞が異常繁殖することで起こる病気です。良性腫瘍と悪性腫瘍が存在し、悪性の場合は子宮がんと呼ばれます。ハリネズミの腫瘍は身体のほぼ全ての場所にできると言われています。
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子宮疾患になるとどうなる?
ハリネズミによって個体差はありますが、多くのハリネズミは血尿が出るようになります。血尿の量が多いと貧血になり命にかかわることもあります。血尿を発見した時点ですぐに病院で診てもらうようにしましょう。また、子宮が腫れてお腹が張ったり食欲がなくることもあります。できるだけ、触手チェックをして異常を感じたらすぐに病院でエコー検査をしてもらいましょう。
子宮疾患は治る病気?
ハリネズミの子宮疾患は治すことが出来ません。そのため、体力のあるハリネズミであれば子宮摘出手術を勧められることが多いかと思います。(実際に我が家のメスハリネズミはみんな、先生から子宮摘出手術の提案をされています。)病気の要因を全て取り除くことで、ハリネズミの負担を減らすことが出来ます。
子宮疾患予防のために、出産予定のないメスハリネズミであれば早めの子宮摘出を勧める先生も少なくはありません。
モネちゃん子宮疾患の発見に至るまで
モネちゃんの子宮疾患はおしっこの色から始まり、1ヶ月程で疑惑から確信に変わりました。
微々たる血尿
モネちゃんは元気食欲もあり特に異変はありませんでした。しかし、掃除の時に“おしっこの濃さ”が気になりました。おしっこが酸化して濃くなっているのか、おしっこそのものが濃いのか長年ハリネズミを飼っている飼い主でもわかりませんでした。
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ハリネズミの鳴き声
モネちゃんは寝ている時に『キューキュー』と鳴くことがありました。怖い夢を見て鳴いたのか、身体が痛くて鳴いていたのかはわかりませんが、3歳9ヶ月頃に初めて聞きました。
エコー検査
病院にてエコー検査をしたところ、子宮がエコーに映り込み異常が発見されました。子宮の大きさが通常よりも大きくなっていると言われ、子宮の摘出手術を決断しました。
ハリネズミの子宮摘出手術
入院の準備
ハリネズミの子宮摘出は傷が深いので、念のため1泊2日の入院が必要とのことでした。病院のよって対応が異なる場合もあるので、あらかじめ入院の有無を聞いた方が良いかもしれません。
入院時に用意したもの
- 2日分のごはんとおやつ
- ごはん皿と給水皿
- タオル
ごはんに関しては“ドライフードのまま与えてください”っとメモを書きました。
子宮摘出手術当日の流れ
手術前日までは今まで通りに過ごしてOKとのことでした!しかし、当日の手術直前のごはんはお腹が膨れる場合があるので与えないようにと言われました。預ける際には担当獣医と当日の流れをしっかり確認し、万が一心肺停止になった時の蘇生承諾と麻酔におけるリスクの承諾をします。
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1検査
エコーで子宮の様子に変化がないかを調べます。
この検査で良くなっていれば手術一旦見送りにする予定でしたが、やはり子宮が大きくなっているので手術を行うことになりました。
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2麻酔
手術の際は全身麻酔と局部麻酔をします。
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3子宮摘出手術
開腹し子宮を摘出します。
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4縫合
1.5㎝程の傷に対して5針程縫合しました。
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5麻酔から覚ます
目が覚めたことを確認し、異常がないか確認してもらいます。
当日はいつでも連絡が取れるようにした方が良いです!
手術後の自校行為
前回の手術でもそうでしたが、モネちゃんは手術の痛みや違和感で術後に首元を噛む癖(自校行為)があります。今回も麻酔から覚めてすぐに噛んでいると病院から連絡を頂き、夜間は病院も人がいないことから自宅での経過観察を提案されました。
匂いの違う砂場やホイールのない病院で余計なストレスを与えるのも可哀そうなので、入院をやめて家に連れて帰ることになりました。先生と相談して、(モネちゃんは年齢的にゆっくりウォーキングを楽しむぐらいなのと、ホイールの上で寝るのが好きなことから)ホイールでストレス緩和ができるならそのままでもOKと許可を頂きました。
手術後に気を付けること
しっかり栄養を付ける
手術には体力が必要になります。また、手術後は傷を治す自然治癒力を高めるためにも栄養バランスの取れた食事を与えます。高タンパク質の生きミルワームもおすすめです。
与えられた薬を飲ませる
手術後には止血剤や抗生物質、痛み止めなどのお薬が処方されます。お薬を飲んでもらうためにも与え方には工夫が必要です。我が家ではフードに混ぜる作戦は失敗したので、ヤギミルクやエゾシカ肉などの嗜好品に混ぜて与えていました。
ゲージ内環境の変化
手術後は傷口のことを考えて砂場とホイールを控えた方が良いです。突然砂場やホイールがなくなるとストレスになるハリネズミもいるので、手術前から少しずつ環境に慣れさせることが重要です。我が家は1週間前から砂場の砂を取り除きました。ホイールは先生から許可を頂き、ストレス緩和のためそのままにすることにしました。
子宮摘出手術の費用と回復までの期間
今回の子宮摘出手術に掛かった費用は¥134,805-(税込) でした!(手術当日+抜糸通院を含む)血液検査は麻酔の時にしかできないため、追加でやって頂きました。5万円を超えると領収書に印紙が貼られるのでいつも以上に重みを感じます(笑)
内訳
子宮摘出手術
全身麻酔 ・・・¥7,000-
ガス麻酔 ・・・¥6,000-
麻酔モニター ・・・¥4,000-
卵巣子宮摘出 ・・・¥70,000-
病理検査 ・・・¥11,600-
血液検査 ・・・¥3,100-
皮下点滴 ・・・¥1,800-
薬投与 ・・・¥1,100-
お薬(5日分) ・・・¥2,500-
レントゲン ・・・¥4,000-
超音波 ・・・¥3,000-
合計 ¥114,100-(税抜)
抜糸
再診料 ・・・¥600-
鎮静麻酔 ・・・¥4,000-
抜糸 ・・・¥1,000-
皮下点滴 ・・・¥1,800-
お薬(7日分) ・・・¥1,050-
合計 ¥8,450-(税抜)
子宮摘出手術TOTAL ¥122,550-(税抜)
※ペット保険未加入のため100%実費
手術後、抜糸までに10日間掛かりました。普段の生活に戻るまでにはお薬の投与を含め、回復までには術後17日程度でした。※病院の方針や個体差によっても抜糸の日数は変わります
子宮摘出手術の結果
子宮内膜過形成
病理診断の結果、モネちゃんは子宮内膜過形成でした!子宮内膜が重度に肥厚している状態で、子宮線が過形成性に増殖しているとのことでした。幸いなことに、悪性ではなく卵正も正常で特に問題はありませんでした。
子宮摘出手術後の様子
血尿が改善
術後2日程はおしっこに変化はありませんでしたが、徐々に改善されていきました。先生曰く、膀胱に溜まっているおしっこを出し切ったら血尿は治るそうです。
元気いっぱいなモネちゃん
手術後は食欲が落ちることもなく、モリモリご飯を食べておやつのおねだりに来てくれるぐらい元気いっぱいな姿を見せてくれました。ホイールもしっかり回し、手術以来はモネちゃんの鳴き声を聞くことはなくなりました!
子宮摘出手術のまとめ
ポイント
・子宮疾患は雌ハリネズミのなりやすい病気
・血尿が出た時はすぐ病院へ
・子宮疾患を疑われた際は子宮摘出手術が一般的
いかがでしたか?今回はハリネズミの子宮摘出手術についてお伝えしました。女の子ハリネズミを飼われている飼い主さんや血尿で困っているハリネズミの参考になれば幸いです。