2025年5月、我が家では8匹目となるハリネズミをお迎えしました。名前はミモザちゃん。スタンダードカラーで人懐っこく、とても活発な女の子でした。
朝起きると、のびーっと手足を伸ばすのが日課なミモザちゃん。この姿が可愛くて、起床する時間が楽しみで仕方ありませんでした(笑)
毎日4時間以上も走るアスリートで、一緒に遊ぶときは飼い主のお腹の上から肩までダッシュするのが大好きでした。
しかし、お迎えからわずか2ヶ月後に突然の発作と急死に見舞われました。あまりにも突然の出来事で、心が追いつかない状態でした。8年間ハリネズミと暮らしていますが、こんな経験は初めてのことです。
この記事では、実際に経験したミモザちゃんの症状や経過を中心に、獣医さんから教わったハリネズミのてんかんについてお伝えします。
この記事でわかること
✔ハリネズミのてんかんってなに?
✔ハリネズミのてんかんの症状
✔てんかんの対処法
✔飼い主としてできること
ハリネズミの様子がおかしいと感じたときの参考になればと思い、実際の動画もUPしています。※苦手な方はご注意下さい
ハリネズミのてんかんとは?
ハリネズミにも人間や犬・猫と同じようにてんかんが起こることがあります。
てんかんは脳の神経系の異常によって発作が起こる病気です。脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することで、ぐるぐる回る、硬直する、バランスを崩すといった行動が見られます。
ハリネズミは脳が小さいためMRIや脳波での正確な診断は難しく、多くの場合は行動や症状から「てんかんの可能性がある」と症状判断されます。てんかんは大きく分けて2種類あります。
先天性てんかん
生まれつき脳に異常があり、発作が起こるタイプ。
幼い頃から症状が見られることが多く、脳の構造や神経の動きに問題があるとされています。
ミモザちゃんの場合、生後2ヶ月で発作が出たことから先天性の可能性が高いとのことです。※あくまで事後の獣医推測であり、確定診断ではありません。
後天性てんかん
外傷や中毒、感染症など後から原因が生じて発作が起こるタイプ。
それまで元気だったハリネズミに突然症状が出るケースです。原因によっては環境改善で症状を抑えられることもあります。
てんかんの症状
ミモザちゃんの異変は亡くなる2日前に突然起こりました。普段は元気で活発な子だったので、初めて見る奇妙な行動に戸惑いました。
行動の変化
・突然倒れ込む
急に落ち着きがなくなり、転ぶ姿を目撃しました。
・口から大量のよだれ
動画をよく見ると顎によだれが垂れているのがわかります。
・食欲が急に落ちた
元々食は細めだったミモザちゃんですが、更にごはんを食べる量が減りました。1日10g食べていたごはんも半分ぐらいしか食べていませんでした。
・運動量の低下
毎日ホイールで4時間以上走っていたのに、亡くなる2日前から30分程度に減少しました。
ミモザちゃんはあまりにもよく走るのでサイクルコンピューターを取り入れて、1日のホイール時間を計測していました。
足を怪我したわけではなく、いつもと違う行動をしている場合はてんかん発作の前兆の可能性もあるので注意が必要です。
発作の様子
発作が始まるとミモザちゃんは次のような行動を見せました。
・落ち着きがなくなる
・口からよだれが出る
・上を向き、体のバランスを崩す
・ひっくり返り、頭をぐるぐる回す
・発作時間は1〜2分程度
・1日に複数回繰り返す(1日目は3回、2日目は4〜5回)
獣医さんによると、てんかんの発作が起きている時はハリネズミも頭がぼーっとして意識がないそうです。この意識がない間に身体が勝手に動いて転んだり、ぐるぐる回ったりするそうです。このように1日に何度も発作を繰り返す状態は重積発作と呼ばれ、脳に大きな負担がかかり命に関わってきます。
※個体差があるので全てのハリネズミに症状が当てはまるわけではありません。
ミモザちゃんの発作を直接目にすることはありませんでしたが、ペットカメラのおかげで異変に気付くことが出来ました。獣医さんに相談するための記録として、動画が残っていてありがたかったです。
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発作前の体調や様子
直接てんかんに繋がるかは不明ですが、日常的にミモザちゃんの気になってい点をいくつかご紹介します。
くしゃみと鼻水
ミモザちゃんをお迎えしたころから、くしゃみと鼻水が出ていたので病院に通っていました。おそらく風邪だろうとのことでお薬を頑張っていました。
暑がりで野良寝することも
生後1ヶ月半で我が家に来たので、ハウス内には身体を冷やさないよう床暖(リバーシブルヒーター)を置いていました。暑いのが苦手なようで、ハウスに入ることを嫌がっていました。そのせいか、ミモザちゃんは昼夜関係なく野良寝することがありました。
温度調節のできるパネルヒーターを購入して、温度をLowに設定したところ入ってくれるようになりました。
ヒクヒクすることが多い
病院でも相談していましたが、ミモザちゃんはこのヒクヒクが元々多い子でした。獣医さん曰く、人間のしゃっくりと同じで横隔膜がけいれんを起こしてヒクヒクするそうです。自然現象なので、特に気にすることはないと言われていました。
てんかんの対処方法
ハリネズミのてんかん発作が起きた時はどのように対策をすれば良いのか、実際に獣医さんに聞いてみました。
発作が収まるまで見守る
てんかんの発作中は触ったり、抱き上げたりすると脳が刺激されて逆影響になってしまいます。発作を早く落ち着かせるためにも、そっと見守ることが重要です。
安全な環境作り
発作が起きてる最中にはハリネズミに意識はなく、勝手に身体が動いてしまいます。その際に頭をぶつけて怪我をしないように、ケージ内の危険なものは取り除き、クッションなどで保護しましょう。
大きな音や振動を避ける
音や振動で脳を興奮させないように、静かで落ち着く環境にしてあげましょう。病院などに連れていく際は電車などの騒音で悪化してしまう場合もあるので、なるべく車やタクシーを利用してストレスを最小限に抑えることが重要です。
てんかんの治療方法
ハリネズミのてんかんは根本的に完治するのが難しい神経系の病気とされています。そのため、治療の目的は“発作を減らす”ことと“生活の質を保つ”ことの2つになります。
治療の内容はハリネズミの年齢や発作の頻度によっても異なりますが、獣医さんから次のような方法があると教えていただきました。
お薬の投与
ハリネズミにも犬や猫と同じようにてんかん薬(抗けいれん薬)が使われることがあります。お薬で脳の興奮を抑え、発作を起こりにくくする効果に期待ができます。
投薬の注意点
・生涯投薬が必要になる場合がある
・発作を完全に止める薬ではない
・効果が安定するまで時間が掛かる
お薬を使うかどうかはハリネズミの容体に応じて、獣医さんと相談して決めるようにしましょう。
飼い主としてできること
実際にてんかんの発作が起きてしまうと飼い主にできることは限られます。その中でも。毎日の暮らしの中でできることをご紹介します。
生活環境の見直し
ハリネズミのてんかんの発作はストレスや急な環境変化が引き金になることがあります。次のような工夫で起こしにくい環境を整えてあげましょう。
・ケージ内の温度を一定に保つ
・大きな音や強い光、振動を避ける
・夜間の掃除や照明のONとOFFを控える
・安心して眠れる静かな場所を作る
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発作の記録をつける
てんかんの発作はどのタイミングで、どれだけの時間、どんな発作が起きたのかを獣医さんに伝えるのが重要です。
私はペットカメラで記録していたため、1日の発作回数・発作の時間を詳しく伝えることができました。また、実際の動画を見せることで獣医さんもより的確なアドバイスをしてくださったと思います。
まだペットカメラを導入されてない方は、健康の管理の一環として取り入れておくのもおすすめです。
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ミモザちゃんの最期
2025年7月6日0時12分頃、ミモザちゃんはハウスの入り口からちょこんとお顔を出して眠るように旅立ちました。旅立つ3時間前まではいつも通りにホイールで運動し、立派なうんちをするぐらい健康でした。
旅立つ1時間前ほど前にごはんを置きに行くと、すでにハウスの入り口で寝ていて「みーちゃんこんなところで寝てるの?今日も可愛いね♡」と声を掛けました。まさかそれが最後の言葉になるとは思いもしませんでした。
獣医さんによると、ミモザちゃんのようなてんかんの発作による旅立ちは、少しずつ意識が遠のく感覚で痛みや苦しみはないとのことです。それを聞いて、少しだけホッとしました。
でも、まだ幼いミモザちゃんからしてみれば、飼い主が突然いなくなったように感じているかもしれないと考えたら心が痛みます。
さいごに
いかがでしょうか?今回はハリネズミのてんかんについてお伝えしました。長いことハリネズミと暮らしていますが、このような症状は初めての経験でした。ハリネズミの神経系の病気ではふらつき症候群が有名ですが、その症状とは全くの別物です。
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「ハリネズミの行動がおかしい」と行動の異変を感じたのが7月4日。5日も同じ様子だったので、明日は病院へ連れて行こうと予約を入れた矢先のことでした。ハリネズミのてんかんは発作の回数が多いほど、発作の時間が長いほど身体へのダメージが大きくなります。異変を感じたらすぐに病院に連れて行ってあげてください。
可愛いミモザちゃん、飼い主と出会ってくれてありがとう。急にいなくなってごめんね。
生まれ変わったミモザちゃんにまた出会えますように…。
その時はまたマッサージして、一緒にお昼寝しようね♡













